珈琲タイム

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Amazing Grace 最初に聞いた讃美歌

Amazing Grace

讃美歌を初めて聞いたのは、たぶんアメージング・グレイス

公園でポツンと座っていたら野外ステージから流れてきた曲

 


Il Divo - Amazing Grace (Live Video)

 

英語も聞き取れず、気持ちだけで聞いているつもりになっていたが

どうしてだか涙があふれてどうしようもなかった。

 

人が高ぶってしまわないように神が言語を分かたれた、とはよく聞いた話。

言葉がわからずとも心に染み入るのはどうしてだろう。

 

岐路に立ってしまった、とここ最近、毎日、思っている。

そういう時、

 

懐かしいことが風のようにふと自分の中と外をまとうように満ちてくる。

デジャブーというのか、原点というのか、最終地点というのか・・・

 

***

 

ロサンゼルスで道に迷って歩き疲れた公園のベンチでこの歌を聞いた。

ボロボロと涙をこぼすアジア人の私の傍に初老の男性が腰をおろした。

 

私は外国人に間違われてしまう時が結構ある。

英語で話しかけられた。

 

英語は得意ではない、と答えたら

大丈夫、あなたはもう私とコミュニケーションできているのだと

 

その方は自分はイギリス英語を話しているのだと説明し、

不思議とそのあと、その方の話がわかるように感じた。

 

また会えるかな、と懐かしい笑顔で言う。

無理だと思います。日本は遠いですから、と普通に答えたら、

 

僕らはまた会えるよ、と天を指さした。

意味がわからずとも、またぐっと何かが胸に迫り泣いてしまった。

 

ブロークン・イングリッシュで、自分が来ているわけや

故郷の話などをし、その方の故郷の話も伺った。

 

一人暮らしでここへよく音楽を楽しみに散歩に来ているのだと

翌日もその翌日も同じベンチを目指したが、方向音痴の私は

 

同じ場所を二度と探すことができなかった。

一期一会だった。

 

奇しくも、紙に、「一期一会」 と書き、お渡したのだった。

漢字の文字とたぶん通じていないだろう説明を大変喜んで下さった。

 

あの曲の名前を知らない、と言ったら

一期一会、だと肩をすくめて笑い返し

 

メモには、 Amazing Grace と書いて下さった。

いつかあなたにもある大事な一期一会の曲さ、と言うことだった。

 

私の拙い一期一会の意味、伝わらなかったかな、と当時はわからなかったが

今の私には痛いほど伝わっている。

 

人は必ず神に出会う機会が与えられている。

霊長類の人の心の中に置かれた神に反応するセンサー

 

一生に一度会えば十分すぎる瞬間だと思う。

Amazing Grace で、もう私は会っていたのだと思い出している。

 

あれからバタバタと苦難が続いたが、タフだったのか

膝を折って、私を助けて下さるあなたはどなたですか?

 

と問うまで、15年の歳月が過ぎていった。

降参は早いうちがいい。

 

堂々巡りは一期一会できっぱり終わった。

岐路は指につばをつけて風を読む時だと年をとれば嫌でもわかってくる。

 

立ち止まる時、公園で聞いた曲が優しく蘇る。

アメリカで迷子になるよりもっと孤独であろう天へ向かう道のり

 

それさえも怖がらないでよい、と甘く包むのが神の霊、神の声

岐路に立つときは、焦ってはならない。

 

静かに立ち止まって座ろう。そうすれば力を得る。

誰かを助ける時は、

 

自分の力で助けてはならないのだから、と天を指して教えてもらった。

不思議な記憶である。